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Xbox360で発売されていますエルシャダイについて紹介します。
ジャンル:アクション
販売元:イグニッションエンターテイメント
発売日:2011年04月28日
CEROレーティング:B(12才以上対象)
定価:7980円(税込) 販売価格の一部を日本赤十字を通して東日本大震災被害者へ寄付
リンク:公式サイト
エノク書と言われる宗教書をモデルに描かれる
神様の僕と、神様から離れた天使たちの物語です。
個性的なグラフィックが特徴のひとつであり、特定の
台詞がインターネットミームにもなりました。
※ネタバレはありません。購入の参考に閲覧ください。※
※クリア済み感想になります。※
[総合]★★★☆☆ (荒削りなアクションゲーム)
[難易度]★★★★★ (マリオなどのアクションが苦手なので)
[物語]★★★★☆ (宗教にまつわる話をよくゲーム化しました)
[音楽]★★★★★ (荘厳であり重厚)
[操作性]★★★☆☆ (悪くはない)
私が、エルシャダイを誰かに勧めるとしたら、それはちょっと変わった
方向性でありながらある程度安心して遊べるアクションゲームを
探している人にだと思います。
話題が先行してしまい、このゲームを触ってもらえるのだろうか
一人勝手に危惧していたのですが、知りうる範囲の方々も手に取られた
ようでとりあえず安心しました。が、私がこのゲームで遊ぶうちに
感じたのは「やっぱり大衆的にはお勧め出来ないゲームだなぁ」
という複雑な思いでした。
アクションゲームとして作られたエルシャダイは、敵と戦う時の武器の種類や
攻撃のバリエーションもいくつかあります。
特に気持ちがいいなぁ。と感じたのは複数のボタンを組み合わせることなく
様々な攻撃が与えられる仕組みです。格闘アクションや、代表的な
アクションゲームにあるようなたくさんのボタンを様々な方法で
組み合わせて攻撃パターンを作っているタイプとは一線を画し、
ひとつのボタンをタイミングを変えて押すことで、攻撃の種類を作る
ことが出来ます。
これらが武器の種類ごとにあるので、見栄えもしますし、それらが「すくみ」の
関係になっている為「この敵にはあの武器を使おう」という考え方も生まれますし、
それが引いてはエルシャダイの特徴である「敵から武器を奪い取る」順番にも
影響して戦闘の方法を組み立てる楽しさがあります。
これは、私のような「攻撃のバリエーションを立てて連続攻撃を成す」ことが
出来ない人にも、何度か戦闘をこなすことで感覚的に技を繰り出すことが
やりやすいと思いました。私だとリズム打ちが得意なので、敵の動きに
対してボタンを押すリズムで反応するという感じです。
敵の動きも、イージーモードで遊んですらいくつかのパターンが用意され、
こちらの動きを考え直す必要がある場面があります。イージーモードの場合は
それでもごり押しで勝てることが多いですが、難易度が高くなるとそうとも
言い切れない機会もあるようです。
このようなバリエーションがあるので、序盤は触りやすく話が進むにつれて
戦闘にも難度が生まれるのですが、残念だったのがボスとの戦闘。
いくつかの特徴は含まれているのですが、ちょっと単純だったかな。という
印象があります。それでも、通常の敵よりは攻撃力もありますし、特殊な
攻撃をしてくるのですが、単純なように感じられました。
もしかしたら、普通の敵の方に(見た目はあまり違いが無いですが)個性的な
動きを割きすぎたんじゃ。。。という気持ちにもなっていきます。
3すくみの武器バランスも悪くはなかったのですが、物語に対して武器のバリエーションが
少なかったかなというのも否めないです。
グラフィックが特徴的なエルシャダイですが、どうしても画面が見づらいです。
それは作中の世界観を表現するエフェクトの影響が大半なのですが、
このゲームはとにかく3Dの「奥行き」が分かりにくいです。故に
ゲーム画面を見て「奥」にジャンプをする際に操作キャラクターがよく足場以外に
落ちます。その感覚になじむまでに相当な時間が必要でした。
アクションゲームの面白さを詰め込んだと言われるステージの中には
「スーパーマリオ」や「ロックマン」を彷彿とさせるような2Dステージも
存在します。これらも非常に個性的でありながら、仕掛けが様々準備され
シビアな経験をすることが出来ます。遊びなれていない人には、ただ
徳を積むための作業にしか思われないかもしれませんが、これで遊ぶことにより
古典的なアクションゲームはこれほどまでに難しいのか。ということを
知る機会になるかもしれません。
愛ある(?)総評星3つです。
それなりの奥深さがあるのですが、未熟な所が目立ってしまったので。
特にクリア後の要素についてもですし、それ以外の部分でも残念な
ところが多く見つかりました。
ポーズ画面はスクリーンセイバーのような動きをするのですが、
そのちょっと前のPAUSE表示からの変化の仕方とか。
物語の見せ方は本当に難しかったと思うのですが、唐突過ぎる展開があったり。
。。。かなりの主観が入ってしまうのですが、それ以外にもあれこれ
思う所はありました。
ですが、宗教ましてやキリスト教やイスラム教、他宗教にまつわる
宗教書をモデルにしながらゲーム化したということはとても勇気のあることだと
思いました。これは、日本だから出来ることです。
(海外だと宗教関係の圧力が特に強く働くことがあるため)
そのことはとてもすごいことだと思いますし、それらのイメージをあまり損なうことなく
それでいて独自の解釈で作られたこの世界観は十分魅力的なものだと思いました。
こういう発想の柔軟さはなくなってはいけないものだと思います。
こういうゲームが宗教に関心の無かった人への扉になる可能性だってあるわけです。
個性的なゲームだけでは留まらない内容になっているのはとにかく嬉しかったですし、
このゲームを踏まえてエルシャダイに関わられた方々が今後どんなゲームを作るのか
わくわくしています。
そういう「未来を感じる」ゲームとして楽しんでもらえればいいと思っています。